うさぎ | もぐらと星の物語

うさぎ

離婚をして 

あの人と子供たちは 4月から 一軒の家に住んでいる。

 

5月に子供たちに会いに行った時

その家に 新しい家族 『 うさぎくん 』 がいた。

引っ越した早々 ペットとして うさぎを飼うなんて 大丈夫かな? とは思っていたが 

子供たちの心の教育や新しい発見があるだろうから

子供たちが ニコニコしながら そのうさぎちゃんに 葉っぱを食べさせていたのを

微笑ましく 見ていた。

 

ところが 

9月に その家を訪れた時 うさぎのお家は からっぽだった。

 

長女の澄玲 ( すみれ 5歳 ) に訊いたら

 

  「 今 暑いから 違うおうちに行っているんだよ。 」 と言った。

 

おかしいな と思いながら

僕のお嫁さんだった人 ( あの人 ) に 改めて訊くと

 

  「 2週間前の暑い日に 直射日光が当たる所に 置いたままになってしまって

    死んじゃったんだよね。

    可哀想で 子供達には 涼しい所に預けてある って言ってあるんだ。

    一番上の子は 知っているけどね・・・・ 」

  

 

あの人は また 現実から逃げて うそをつくことを 選んだんだよね。

 

確かに うさぎが死んだことを 子供たちに伝えるのは 辛い。

そして 可哀想かも知れない。

でも それでは うさぎを飼っていた意味は 何もなくなってしまうよ。

うさぎは 無駄死に してしまうよ。

 

生き物は いつか死ぬ ということ。

可愛がっていたものが 死ぬ。

大切なものが いなくなる。

だから たくさん愛情をかけてあげるんだよ。 

ということを 教えなければ 何匹ペットを飼っても 子供たちの心は育たないんじゃないかな?

 

 

そして うそをついてもいい なんて 子供に思わせてはいけない。

逃げてうそをつくことが 更に自分を苦しくする ということを 

あの人は 良く知っているはずだ。

そんな あの人を見ていて 

一番上の子は どうなるだろう。

自分の立場が悪くなると うそをつくんじゃないかな?

確かに ついていい うそもあるよ。

でも その線引きをするのは 自分だよね。

ついつい 甘くなっちゃうよね。

そうしたら 誰にも 信用されなくなるよ。

 

お願い!!

もう 逃げないで・・・