ひまわりの迷路で | もぐらと星の物語

ひまわりの迷路で

ひまわりの迷路で はぐれてしまった ふたり

 

好奇心旺盛なきみは いつも 僕を ひっぱっていってくれる

少しぐらいの 虫や蜂なんかは 気にしない

パズルや迷路が得意なきみは どんどん 先を歩いて行く

 

ちいさい子や ひまわりの細かいとげを気にして 歩みの遅い僕

たちまち きみを 見失う

 

大きな声で 呼んでくれればいいのに

負けず嫌いのきみは 先に僕を見つけようと 必死に歩く

 

僕は僕で 次の角を曲がったら 

不安げな顔の きみがいそうで 右に左に 体を揺らす

 

どちらかが 立ち止まれば 出会えるかもしれない

でも もしかして きみは 僕 ではなく 出口を探しているの?

それとも・・・

 

 

 

 ” どこかで 泣いているのかな? ”



すまして みんな同じ方を向いている ひまわりを見上げる

 

 ” これでは 迷路じゃなくて 迷子 だよね ”

 

背の高い ひまわりは

そんな ふたりを見て 静かに 笑っていたんだろうな